アウターとは冬に着るコートのことです。
一口にコートと言っても、様々な種類が存在します。
今回は代表的なアウターの種類とその特徴をご紹介しましょう。
1. チェスターコート
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テーラードジャケットの着丈を長くしたようなフォーマルなコート。
正式名称はチェスターフィールドコート。イギリスのチェスターフィールド伯爵が最初に着たことから名付けられました。
正式なものは比翼仕立てになっており、ボタンが外から見えないデザインになっています。
素材はウールが多く、カシミアを使った高級なものもあります。
2 . MA-1 (エムエーワン)
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1950年ごろにアメリカ海軍と空軍に支給されたもので、軍用機内での着用を想定して、座った時に挟んで踏みつけないよう、あえて後ろの着丈を前と比べて短くしています。
寒冷地でも着られるため、ジャケットの上からでも着られるよう、サイズを大きくしています。
基本的にMA-1の裏地はオレンジ色ですが、これは墜落した時に裏返しにして着ることで、レスキュー隊に見つかりやすくするためです。
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(リバーシブルになっています)
3. ピーコート
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(重厚でドレス感が強いダブルブレスト)
オランダ語の pij jekker (ピイ エッケル - 厚い毛織物の上着) が語源の軍用アウターで、それが一般化したものです。
海風の寒さから手を守るために、縦に切り込みを入れたポケットや、胸元の生地が二重になったダブルブレストによる防寒性の高さなど、
元々イギリス海軍やアメリカ海軍が着用していただけに機能性に基づいたデザインがなされています。
肉厚のメルトンウール (圧縮した高密度のウール) を使用しているため、防寒性は抜群です。
4. ダッフルコート
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(手袋をしたままでも留め外しができる木製のトグル)
元々は北欧の漁師が着ていたコートで、第二次世界大戦中にはイギリス海軍のコートとして採用されました。
フード、ダブルブレスト、補強のための大きな切り替え布とパッチポケット (貼り付けたポケット)、留め木のボタンをロープに掛けるのが特徴です。
ダッフルは、ベルギーのアンドワープ市近郊の町の名前。そこで織られた厚手のウールを使用したコートなので、ダッフルコートと呼ばれるようになりました。
5. モッズコート
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元々は軍隊が使用していたミリタリーコートで、代表的なものが M-51 フィールドパーカ です。
現在流通しているモッズコートの大半はこのM-51をベースにしています。
「じゃあモッズコートって何?」
と思うかもしれません。
モッズコートは軍隊で使われていた名称ではなく、俗称です。
これはイギリスで流行したモッズカルチャーに由来します。
モッズとは、1950〜60年代にロンドンで流行した音楽やファッションをベースとしたライススタイルなどを総称した名前、およびその愛好者です。
モッズたちはバイクに乗るとき、せっかく仕立てをしたキレイなスーツを汚さないようにと、米軍の払い下げのM-51をスーツの上から着ていたのが始まりで、そこからモッズコートという俗称が定着したようです。
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着丈が長く、ジャケットの上からでも着られるよう、サイズを大きくしています。
風を通さない比翼仕立てや、裏地やフード周りにつけたファーなどが防寒性を高めています。
素材はコットンが多いです。ウールを使ったモッズもありますが、元々のM-51がコットン素材なので、コットンがどうしても多くなってしまいます。
6. ダウンジャケット
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ダウン (羽毛) とフェザー (羽根) を中綿 (なかわた) に詰めた防寒着のことをダウンジャケットと呼びます。
ダウンはタンポポの綿のようにふわふわとしており、一羽あたりから取れる量が限られている貴重品です。
一方フェザーは中心に固い軸が通った一般的な羽根です。
ダウン : 80% フェザー : 20%
ダウン : 50% フェザー : 50%
など、割合はいろいろありますが、ダウンの比率が高い方が防寒性が高いです。
モコモコとした凹凸のあるデザインと、ショート丈 (ロング丈もあります) が特徴です。
他のアウターと比べると圧倒的な暖かさを誇りますが、ドレスライクなチェスターコートなどと比べると、スタイリッシュに着れないのが難点です。
上手に選んで上手に着ないと、ただ単に防寒性重視に見られてしまいます。
そういった意味でコーディネートのハードルは高いです。
7. スタジアムジャケット (スタジャン)
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(青いウールの部分が身頃)
元々は野球選手がウォームアップの時や防寒用にユニフォームの上から着ていたもので、身頃と袖がツートンカラーになっています。
身頃は厚手のウール素材、袖にレザーを用いて、フロントをスナップ留めにしています。(円形の小さな金具でパチンと留めるボタン)
襟と裾と袖口にラインを入れ、胸にワッペンをつけ、背中にロゴを入れるのが一般的です。
袖の切り替えやワッペンなど、どうにもカジュアルな印象ですが、近年それを逆手に取り、大人っぽいオールブラックのスタジャンもリリースされています。
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ちなみに日本で呼ばれるスタジアム・ジャンパー (スタジャン) は和製英語です。
2大トレンドアウターのチェスターコートとMA-1、そして「流行遅れ」になることはない定番のアウターを紹介しました。
*ドレスなアウターが好みならチェスターなどの長い丈のウールコートを、
*カジュアルなアウターが好みならミリタリー要素を含むMA-1など、
自分の好みに合わせてアウターを選んでみては?
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