コム デ ギャルソン社のなかでも、会社を牽引する柱となるデザイナー、川久保 玲。
私たちが何気なく着ている黒を着るのは当たり前で、むしろモードには欠かせません。そんな黒の概念を作り出したのは、日本人の川久保 玲なのです。
そんな川久保氏が2016年10月の時点で手がけているブランドは全部で9つ。
1. COMME des GARÇONS
1969年創設。川久保氏のクリエーションが最も純粋な形で表現されているラインで、コム デ ギャルソン社のトップといっていいブランドです。
© Condenast Japan / http://www.vogue.co.jp/popup_collection/comme-des-garcons/17ss-rtw/runway#1
(人は寒さと異性の目から身を守るために服を発明しました。それが服の原点です。2017春夏のコレクションで川久保氏はその原点に立ち帰り、その意味を問い直しました。そうして出した答えが「見えない服」。これは肉体を露出する服のことではなく、その逆で、肉体を守り、覆い、寒さと他人の視線から守るという本来の役割に徹した服のことです。ランウェイに登場したモデルは全員、ボリューミーな布地に包まれ、そのボディラインを消されました。それは肌を露出することで男性をを挑発してきた既成のファッションに対する川久保氏の挑戦だと感じ取れます。)
© Condenast Japan / http://www.vogue.co.jp/popup_collection/comme-des-garcons/17ss-rtw/runway#7
© Condenast Japan / http://www.vogue.co.jp/popup_collection/comme-des-garcons/16aw-rtw/runway#1
コム デ ギャルソンのアイコンともいえる水玉、チェック、花柄やレースなど、甘く可愛らしい要素が先鋭的な表現の一部となるのも特徴的。
2. COMME des GARÇONS COMME des GARÇONS
1993年創設。川久保氏の変わらずに好きなものがベースとなって表現されています。生産は日本と海外 (フランス、ブルガリア、ハンガリー、トルコなど) で約半分ずつです。
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/collections/gallery/25702/443038
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/collections/gallery/19754/342466
(2016春夏 - 軽量感が導く朗らかな春)
3. COMME des GARÇONS HOMME PLUS
1984年創設。川久保氏がデザインを手がけるメンズブランドです。メンズの基本を押さえながらも既存のものにとらわれない遊び心にあふれたデザインが特徴。
1984年にパリで最初のショーを行いました。当時はいかつい肩とウエストをシェイプしたシルエットが主流でしたが、川久保氏は肩の力の抜けた、ゆるやかな服を提案。その姿はメディアから、「自由を着る男たち」「戦争をしない男たち」と評されました。
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/collections/gallery/24409/424427
(2017春夏のテーマは「The King Is Naked」。裸の王様をモチーフにした透明なアイテムを展開しました。コートを纏いながらも裸でいる状態。)
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/collections/gallery/21358/368812
(2016秋冬 - 戦えない甲冑)
4. COMME des GARÇONS HOMME DEUX
https://www.gsc-rinkan.com/common/images/brand/comme_des_garcons_homme_deux_header.jpg
1987年創設。「日本製の日本人のためのビジネススーツ」としてスタートしました。スーツを中心に展開し、素材から仕立てまで正統派にこだわったもの作りが特徴です。コム デ ギャルソンらしく、ビジネスとアバンギャルド (前衛・革新) を両立させています。
5. COMME des GARÇONS SHIRT
1988年創設。シャツというオーソドックスなアイテムならではの可能性を追求します。初期はシャツのみ展開していましたが、現在はパンツ、ジャケット、シューズ、バッグまでアイテムの展開を広げています。
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/collections/gallery/24700/429334
(2017春夏 - コラージュで作る視覚的な楽しみ)
Copyright © 2016 Shueisha Inc. / http://www.webuomo.jp/news/wp-content/uploads/sites/2/2016/05/CGS.jpg?fb2af8
6. PLAY COMME des GARÇONS
Farfetch.com Ltd / https://www.farfetch.com/jp/shopping/men/comme-des-garcons-play--t--item-10917682.aspx?storeid=9902&from=1&ffref=lp_pic_178_11_
http://pds.exblog.jp/pds/1/201401/18/88/d0252088_18203246.jpg
7. BLACK COMME des GARÇONS
世界不況をもたらしたリーマン・ショックに対応すべく、エマージェンシーブランドとして2009年に創設。当初は期間限定で展開されていたラインでしたが、人気のため継続になりました。
© 2009-2016 copyright www.fashion-press.net / http://www.fashion-press.net/news/gallery/25317/438200
コム デ ギャルソンのアイコン力ラーといえるブラックをメインにアイテムを展開。ブラックを引き立てるホワイトやレッド、ゴールドも使われています。
8. The Beatles COMME des GARCONS
DSMG E-SHOP / http://shop.doverstreetmarket.com/jp/comme-des-garcons/beatles-cdg/beatles-cdg-printed-boat-bag-vr-k001-051
バッグの素材は動物愛護のため、本革を使用していません。これはビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーの意向によるものです。そのためポリ塩化ビニールや、ポリウレタンを使用して、レザーにはない軽さを実現しています。形状がリズミカルなボート型なのも特徴的。
DSMG E-SHOP / http://shop.doverstreetmarket.com/jp/comme-des-garcons/beatles-cdg/beatles-cdg-t-shirt-white
9. Wallet COMME des GARÇONS
© Condenast Japan / http://gqjapan.jp/fashion/wardrobe/20121218/mbcase
© Fashionzine / http://fashionzine.jp/comme-des-garcons-16brands/
財布の原型は変えずに、カラーや型押しのパターン、ステッチの違いなどで、毎年新鮮なデザインを提案しています。
「自由と反骨精神」を源に今もなお成長し続けるコム デ ギャルソン。「自由を愛する」「既存の常識を打ち破る」というテーマを元にデザインされており、コム デ ギャルソン特有のクセのある強烈な個性を感じ取れます。
Part 2 では、コム デ ギャルソン社の副社長でもある渡辺 淳弥 (ワタナベ ジュンヤ) と彼が手がける4ブランドを特集します。
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